第37章 【木葉】その儚い熱に触れさせて_SS★
ヂリヂリとかすかな音を立てて火花を散らす線香花火は、次々と形を変えて最後はぽとりと落ちる。
「なんか切ないなぁー、、、」
「まだ残ってるだろ。」
「競争しよう。先に終わった方が負けね?」
「勝ったら?」
「何でも1個言うこと聞く。」
「よぉーし。」
せーので火をつける。
直ぐに尽きてしまうと分かっている儚い熱を俺たちはお互いのを見比べるように見つめた。
このままこの時間が続いたらいいのに。
そんな無理な望みが頭ん中に雨雲みたいに立ち込めてくんのを必死で払う。
「あっ!」
「はい、俺の勝ち〜!」
「、、、何?何して欲しい?」
「そうだなー、、、じゃあ目瞑って。」
「え?」
「ほら早く。」
抱き寄せた身体は、
柔らかくて熱い。
「!?、、こ、、木葉?」
もうこれで、終わりにしよう。
サヨウナラ。
俺の夏。
fin.