第37章 【木葉】その儚い熱に触れさせて_SS★
夏が来た頃には、
二人はだいぶ良い雰囲気になっていた。
「なぁ、って赤葦と付き合ってんの?」
「知らねー。」
「木葉、と仲いいじゃん。知ってるかと思ってた。」
「付き合ってないんじゃねー?」
「んだよ、歯切れ悪りぃな。まぁ赤葦だもんなぁ、、、モテるわな。」
小見が並んで立つ二人を見て、頷く。
仲良いなんて、なんの価値もないじゃんか。
仲良くても付き合えねぇしな。
俺自身は少し自暴自棄になっていた。
そんな夏の日の夕方。
部活の帰りにたまたまと一緒になって、俺たちは二人でコンビニに寄った。
「このはー!アイス買おうよ!」
「ちょっと待てよ。ジャンプ読むの、俺は。」
「えぇー、、、なんか面白いのあんの?」
「ONE PIECE。」
「海賊のヤツ?」
「そう。ONE PIECE読むのはな、日本国民の嗜みよ。」
「私、非国民じゃん!」
「やべぇぞ、ソレは。漫画読む?俺んち全巻あるよ?」
「読む読むー!!じゃー今から木葉の家にゴー!!」
「ハァ!!?貸すとかじゃなくて!?」
「だって漫画持って来たり持って帰ったり面倒じゃん。」
「、、、、んじゃ、良いよ。」
「よっし!じゃあお菓子買わなきゃ。」
赤葦よ。
悪いが今日、は俺んちに来るぞ。
「ねぇ、木葉が好きなワサビのポテチ買う?」
「もち。」
「あ、花火もある!買う?」
「お前、漫画読むんじゃねーの?まぁ良いけどさ、、、。」
(くそっ、、、、可愛いんだよ、まったく!)