第37章 【木葉】その儚い熱に触れさせて_SS★
ドクンッ
これは俺の鼓動じゃない。
彼女の横顔が薄っすらと赤く染まった時。
そんな音が、
聞こえた気がしただけ。
その視線の先にいるそいつの涼しげな表情と、センス溢れるセットアップに、どこかで納得してしまっている自分がいた。
(一年坊主に取られんのかぁ〜?、、、まじかよぉ、、、)
赤葦京治とが
出会った瞬間だったーーー。
「このはーーー。」
「何よ。イテェからシャーペンで突っつくのやめて。」
「昨日ね、赤葦とご飯行ったんだー!」
「はいはい、良かったねー。」
どちらからともなく、二人は必然のように惹かれあって行った。
俺はそんな二人を引き裂くような事は出来なくて、時たまから話を聞いては少し胸を痛め、それでも嬉しそうな表情が可愛くて、、、。まぁいっか、、、まだくっついてねぇしな、、、と納得しようとしていた。
最初は好きな奴が奪われたような気持ちになって、赤葦が生意気に見えて仕方なかった。だけど一緒にバレー部で過ごす時間が増えれるうちに、俺の一方的な嫉妬は浄化されるように次第に消えていった。
だってあの木兎の世話役だぜ?
そんなん、器広くて、賢くて、それでいてバレーも上手くなきゃ務まらねよ。
(まったくどこまで完璧なんだか、、、)
が赤葦を好きになる気持ちは、男の俺にもよく理解できた。
「告白しねぇの?」
「ムリムリ!!!」
「なんでよ。」
「だって、、、、もう少し仲良くなってから!」
赤葦だってもうとっくにお前の事好きだって。
見てりゃ分かる。
俺、そーいうのよく気付くんだよなぁー。
だからが俺を友達くらいにしか思ってない事だってよーく気付いてる。