第36章 【宮治】ナイショ。 ★
「好き。」
低い声が耳元でそう呟いた瞬間、肩を引かれ私の唇に柔らかいものが触れる。
ドクンッ、、ドクンッ、、ドクンッ、、、
今にも壊れそうな胸の高鳴りごと治くんは私を抱き寄せて、ぎゅっと背中に腕を回した。
長い長いキス。
うるさい胸の高鳴りを更に煽るように花火の音は私の鼓膜を揺らして、色とりどりの花を暗闇に咲かせた。
「キス、頂きました。」
唇が離れると、
治くんはそう言って悪戯に微笑んだ。
「アホ、、、、」
「もっかいシとく?」
彼の言葉に瞬きで返事をし、
今度は自分から唇を重ねた。
全てを夏のせいにしてーーー。
fin.