第36章 【宮治】ナイショ。 ★
意地悪そうな笑顔が侑にそっくりで、胸の奥がズキズキ痛い。
「俺、食い物旨そうに食べる子めっちゃ好きやねん。」
唐揚げを堪能し、ゴクリと飲み込んで私は口を開く。
「、、、私、ほんま最悪。治くんにドキドキしてしまってる自分が嫌や、、、」
「そんなん気にせんでええよ。は俺に誑かされてるだけやん。」
「でも、、、、」
「がドキドキしてくれんの俺は嬉しい。やし、こんな隙を俺らに与えたツムがアホなだけ。」
そう言って治くんは隣に座る私の頭をポンポン撫でてくれた。
日が沈み始め、空は橙から紫へと鮮やかなグラデーションに彩られる。
私ばっかドキドキしたまま数分後には太陽は完全に沈み、始まりを告げる花火が打ち上げられた。
それと同時に、治くんの掌が私の手に重なる。
少しの油断も与えられず、緊張で顔が火照って仕方がない。
「なぁ、
立て続けに打ち上げられる花火の音に、彼の声がかき消されて、私は顔を近づけて聞き返す。
「ごめん、何?」
その瞬間やった。