第36章 【宮治】ナイショ。 ★
「なあなあ治くん、シロップセルフやて!かけてかけて!!」
にそうせがまれ、山のように盛られ雪山みたいになってるかき氷を受け取る。
「ほな、目閉じて。」
「わ!お楽しみってやつ?ワクワクするー!」
ウキウキしながら目を瞑る。
「、、、、、、、はい、ええよ。」
「ねぇちょっと。」
「ん?」
「なんやねん、これ。」
「エクストラストロベリーレモングレープブルーハワイメロンコーラかき氷やんけ。」
「長っっっ!!どっかのコーヒー屋のフラペみたく言ってもあかんからね!?味やばそ、、、。」
「案外イケるんとちゃう?ほら。」
スプーンに少しすくって差し出すと、は色のついたグロスでテカるぽってりとした唇を躊躇なく開いた。
「あーん、、、、、って、味わけわからん!!ただただ甘い、、、最悪、、、」
「かき氷ってそーゆうもんやん?なぁ、俺腹へったし焼きそば買いたい。」
「しゃーないなぁ。治くん代打で来て最初はビックリしたけど、侑みたいなアホやらんやろなーと思ったのに。さすが双子やね。」
その言葉に俺は少し腹が立った。
俺は俺やし、ツムはツムやのに。双子やとよくある事だし慣れとるけど、やっぱ好きなヤツに言われればそれなりに傷つくもんや。
「、、、わかった。んじゃ本気でいくわ。ほな行こか?」
「え?」
腕を差し出すと、は一瞬キョトンとして、数秒遅れて理解したのか少し顔を赤らめて俺の腕につかまった。