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《HQ》真夏の条件 〜夢短編集・夏〜

第33章 【岩泉】二人だけの花火大会




「?」
呼ばれて顔を上げればはじめと目が合う

すると少し呆れたようにフッと笑って

「たこ焼きでも食うか?
つっても冷凍のを温めただけだけど…」

案外ウメェぞ…なんて言ってくる

そういえばお腹すいた…
屋台があるからって何も食べて来なかったし
たこ焼きの甘いソースの香りが
空腹を刺激する…

『食べる…』

そう呟けば

「おぅ…じゃこっちな…」

はじめはそう言って私の手を握ると
縁側の方へ歩き出す…

ギュっと握られた大きな手の
感触にキュンとすれば
隣に並んで座る普段より少し近い距離に
ドキドキが止まらない

あっ…また緊張してきた…


「ほらっ」
差し出されたたこ焼きを口に運ぶ

『美味しい…』

「だろ?」

そう言って笑うはじめに私もつられて笑う

「たくさん食えよ…アイスもあるし…」

『うん…ありがと…
何かはじめ…親戚のおじさんみたい…』

「はぁ⁈」

眉間にシワを寄せるはじめの顔を見て
ふふっと笑えばはじめはスーッと私の頬へ
手を伸ばしてムニっと頬を摘む

「バーカ…やっと笑いやがって」

ごめん…
勝手に浮かれて勝手に凹んで…

はじめなりに考えてくれてたのかな…?
そう思えば嬉しくなってくる…


「ほらっ…口…開けろ…」

『んっ?』

そう言われれば口の中に広がるたこ焼き味…

ニヤッと笑うはじめと目が合う


いっ今…何した…?

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