第31章 【孤爪】悪いのは君が可愛いせい。[R18]
夕焼けに町が染まり始めた午後7時。
からころと浴衣に合わせた下駄の音が響く。
ご近所の有名な神社のお祭り。
1人、またひとりと赤い鳥居に吸い込まれていく。
「研磨、何食べたい?」
「食べることばっかりじゃん。おれはりんごあめ。」
「そんなことないもん。でもクレープは絶対食べたいな。」
きらきら、きらきら。
たくさんの屋台の灯りが煌めいて見えて
それがやけに幻想的で
研磨と来れたことが、すごく嬉しかった。
「じゃあ、いこっか。。」
一歩前にいる研磨に目線を合わせ肯定のつもりで微笑むと、研磨はふいと目線を泳がせ、外した。