第30章 【孤爪】幼馴染の先。[R18]
違う。
「研磨のすきは…きっと、幼馴染のすき…だよ。」
幼馴染の3人でいる空気が好きだった。
クロと研磨と私。
学年はみんな1つずつ違うけれど、それでもずっと仲良くしてきていた。
だから、この空気を壊したく無かった。
「#NAME1#は鈍感だからわからなかったかもしれないけど…
がおれのこと好きなの、おれずっと前から気づいてるよ?」
…え?
ばっと顔を上げればぎらり輝く猫のような瞳。
…いや、"ネコ科"…かな。
豹のような獲物を狙う瞳が私を捕らえる。
「おれだけじゃなくてクロも気づいてる。今日も一緒に家まで来るはずだったのに変な気回して帰ってったし。」
ぱた
今度は肩にかかる雫。
「ねえ、いつになったらおれのものになってくれる?」
ぐ、と近寄る顔。
逃げ道は後ろしかなくて、ぎゅっと瞳を瞑る。
「その顔、逆効果。キスしちゃうね。」
緊張で唇を真一文字に結んだその上にふわり、柔らかな感触。
す、と熱が離れたと思った瞬間
私の体は
なぜか宙に舞った。