第30章 【孤爪】幼馴染の先。[R18]
夕飯を終え、片付けをするからと先に研磨をお風呂に押し込んだ。
シャワーの音が聞こえたのを見計らって先に自分の洋服の準備。
いくら幼馴染だからといっても、流石に下着までは見せられない。
ささっと準備を終え洗い物を再開すると、ねえ、と小さな声とともに後ろのバスルームの扉がきいと開いた。
「ごめん…タオル貸して。」
油断した。
うっかり振り向いた先にはシャワーを終えた研磨。
下着とハーフパンツは履いていたが上半身は裸、髪からは雫が滴っている。
それが妙に艶かしくて、不意に心臓がどきりと跳ねた。
「ちょ…っと待ってね?」
泡だらけの手を洗い流し部屋の奥のクローゼットに向かう。
畳んだバスタオルを取り出し振り向けばいつのまにか背後に近づいていた研磨。
「ねえ、少しはおれのこと意識した?」
がたり。
研磨の腕が私の両サイドに伸びる。
「なに…?けんま…」
いつの間にか高くなった身長。
細いながらも逞しい身体。
「おれだって」
ぱたり、としずくが
「おとこだよ」
わたしのほほにおちた。
見つめられ、ぶわわ、と頬に熱が集まる。
「けん…「おれ、が好きだよ?」
再びぱたりと雫が落ち、冷たい雫があたたまる。
「す…き?」
「うん、すき。」
研磨が…私を、好き?
幼馴染の、研磨が?