第29章 【及川】弟みたい、が男になった日[R18]
「クソガキ。岩泉くんの言葉を借りるなら…ガキ川?」
「ひどいな!!ガキじゃないよ!及川さんにだって立派な「あああああ!言わなくていい!!」」
何を言おうとしたのか。そんなこと、私にだってわかる。
私だって大学生。もう、いい大人の仲間入りを果たしているんだ。
「は言わなくてもわかるのに、ガキなんていうの?」
あ、まずい。
目が、獲物を捕らえた目をしてる。
私だって、経験事態は初めてではないから、男の人がどんな目をするのかくらい知ってる。
「ねぇ、試してみる?」
「私っ、帰る、よ…」
何て言いながら、足が動かないのは、徹の目にすでに捕らえられているから。
けど、幼馴染、だよ?弟くらいにしか思ってなかったんだよ?
男の子ってことは知っていたけど、まさか、私なんかに手を出すなんて、この数十年考えたことなんて、ない。