第29章 【及川】弟みたい、が男になった日[R18]
「あわわわわ~」
「……なにしてんの?」
「なにしてんのって、みればわかるでしょ?」
蝉のなく蒸し暑い今日。
ジャージ姿の私は1つ下の幼馴染、及川徹の家に来ていた。
こんな暑い日に出かけたくなかったのに、
お母さんが作りすぎた漬物を持って行けというから仕方なく。
徒歩5分とはいえ、日光と紫外線は容赦なく降り注ぐ。
徹の家につくと、おばさんはちょうど買い物に出かけるところだったらしく、冷蔵庫に入れておいてくれと頼まれた。
頼まれごとを済ませると、とりあえず徹の部屋へ足を運び、冒頭に至る。
扇風機を目の前にして、あーっと言う彼。
ほら、小学生の頃とか、誰もがやったことだと思う。
扇風機に向けて…
「われわれは宇宙人だー」
って、説明するまでもなく、目の前の高校3年生の男子がやってくれてる訳で。