第24章 【孤爪】その雫をひと舐め [R18]★
「孤爪くん、、、好きです!!付き合って下さい!!!」
今思い出せば、始めて告白された時も
は顔を真っ赤に染めてた気がする。
インターハイは予選敗退。
音駒の夏は終わった。
落ち込む暇も与えられず、コートからさっさと立ち去り、みんな無言で帰りの準備をする。
その時だった。
音駒の制服を着た女子が駆け寄って着て、俺を見つけるやいなや手を引いた。顔をリンゴみたいに真っ赤に染めて俺の目をまっすぐ見つめるその子が何を言うかと思いきや、告白だったから、チームメイトはどよめいた。
「研磨。あの子と付き合ってみれば?」
試合後。帰りの電車で隣に座ったクロがそんな事を言った。
「ヤダよ。なんで。」
「いい子そうじゃん。」
「なんで分かるの?それに俺、恋人とかどうしたらいいか分からないし。そもそも興味ない。」
「だってさ、あの子お前の目が好きだって言ってただろ。なんかいいじゃん、そういうの。それに、試合負けた後に告白してくるんだぜ?ホント、研磨の事だけ見てたんだなーって思うと、俺としても興味湧くって言うか。」
「クロの興味なんて知らないよ。」
「人と付き合うってさ、もしかしたらゲームより面白いかもよ?」
ゲームより面白いもの。
そんなのきっと世の中には溢れてる。
だけど俺にはそんなの必要ない。
ゲームがあって、クロがいて、
バレー部のみんながいて。
それ以外に何か増やして、今の生活をわざわざ壊す必要なんてない。ドキドキもワクワクも、ゲームとバレーで十分間に合ってるからーーー。