第24章 【孤爪】その雫をひと舐め [R18]★
恋愛なんて自分には縁遠い。
ましてや誰かが自分を好きになるなんて、信じられない。俺自身だって自分の事そんなによく思わないのに。
だからが俺の事好きだって言うのも、こんなにベタベタくっついて来るのも意味がわからなかった。
だけど、イラっとした勢いでを押し倒してみて、初めてその気持ちがほんの少しだけわかったような気がした。
だって、顔を真っ赤にして恥ずかしがるはいつもと全然違うから。
なんか少しだけ、可愛いなと。
もっと他の表情も見たみたいなと。
そんな好奇心を掻き立てられた。
「怒ってる、、、、よね、、ゴメン。」
「ホント信じられない。」
「、、、、、、ごめんなさい。」
「だめ、許さない。」
ゲームの事はセーブしたばっかりだから、正直どうでも良かった。
顔をゆっくり近づけ、汗で顔に張り付いた前髪を撫で上げると、はキュッと目を瞑った。自分の一挙一動でがこんなにも違う表情を見せるなんて今まで知りもしなかった。
「ちょ、、ちょっと待って!!」
「?、、何?」
「その、、今日は汗ダクだし、恥ずかしいから、、、そう言うのは、、、」
「何、そう言うのって。」
もちろんが何を言いたいかなんて、流石に俺にも分かる。でも、さっきまで平気でくっついて来てたくせに、いざ俺がそんなそぶりを見せると、こうも慌てるんだと思うと少し心外だった。
俺だって男だし。
全く女の子に興味がないわけじゃない。
普段からあまりにアプローチをスルーしてたせいか、はまさか俺に組み敷かれる日が来るなんて思ってもいなかったんだと思う。