第19章 【北】marble★
「あ、、、アイス食べませんか!?」
「せやな。」
初めてした、深いキス。
自分の中に他人が入ってくる感覚は、不思議と嫌悪感はなく、寧ろ胸が熱くなった。
キスしたせいでさっきよりも座ってる位置が近くなり、すぐ横で頬を真っ赤に染めるに、いつでも簡単に触れられるんやと思うと、勝手に鼓動は高鳴る。
「あ、ヤバ!ちょっと溶けてきてる。」
「ほんまや。」
「んんーー!!めっちゃ美味しい!!」
「はアイス好きなん?」
「めっちゃ好きです!あ、チョコチップひとくちどうぞ!」
差し出されたスプーンにパクんと食いつく。
「!!!、、、や、やばい、、!、、、私めっちゃ恥ずかしい事してしもた、、、!!!」
「?、、、ええやんか。俺のも食う?」
無意識だったのか顔を更に赤くした彼女に、お返しとばかりにスプーンを差し出す。
「、、、、い、いただきます、、!!!」
「なんで目瞑ってんねん。」
「なんか恥ずかしいんやもん、、、。バニラ美味しいですね!北さんはバニラ派ですか?」
「いや、どっちも好きやけど。はチョコ好きやんか。だからバニラにした。」
「え?なんで知ってはるんですか?」
「コンビニでいつもチョコ買っとるやろ。」
部活の帰り道、学校の近くのコンビニに寄るとは決まって同じ板チョコを買っているのを俺は知っていた。駄菓子屋に来た子供みたく、ニンマリと笑顔を浮かべるんが可愛いと、付き合う前から思っていたから。
「北さんはずるいです!!」
「なんやねん、いきなり。」
「そんな、私が嬉しい事ばっかり言うて!今日も、、、お家に呼んでくれて!!それに、さっきのキスも、、、、、私ばっかり、ドキドキしてるんやもん、、、」
次第に尻すぼみに小さくなる声のトーン。
顔を両手で隠して縮こまる彼女は、小さい声で「ずるい!」と連呼していた。
(いや、そっちの方がよっぽどやろ。)