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《HQ》真夏の条件 〜夢短編集・夏〜

第19章 【北】marble★




侑の隣にいたスナが口を挟んできたのがキッカケとなって、その後は集中砲火やった。


「そもそも、、、北さんと付き合うてむっちゃ緊張しそう。」

「どんなデートするんすか?つかデートしたことあります?」

「確かにお前が恋人作るなんてイメージなかったからなぁ?と普段何してんねん。」

「北さんて、そもそも性欲あるんすか?」


ここぞとばかりに部室に居合わせた連中に言いたい放題言われた俺は、一度深いため息をつき頭ん中を整理する。

そして、1つ気がついたこと。


「デート、、、、とか、する暇ないやんか。俺らほぼ毎日部活やんけ。」

「いやいやいやいや!!そこを上手くやり繰りするんが彼氏っちゅーもんやないですか!?」


普段やかましいだけの侑の言葉が、なんだか今日は妙に胸に刺さる。

現実問題、俺はと付き合い始めてからと言うもの、デートと呼べるようなことをした試しがなかった。日曜以外は毎日部活があるし、部活の後はと一緒に帰るのは何となく決まっていて、、、。

それだけでも十分特別やし、十分恋人っぽいと思っていたが。どうやら侑基準で言えば、俺は相当アカン彼氏に部類される事が判明して、少なからずその事実に動揺する自分がおった。


「ならどうすりゃええねん。」


は俺といて楽しいんやろか。

よくよく考えれば、そんな事すら考えた試しがなかった。侑が言うように、は俺に不満を持っているんやろか、、、。俺とのその先を期待しているんやろうか、、、、。


そんな事を考えると、一々鼓動が早まって心臓に悪い。


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