第19章 【北】marble★
「で?北さん、ちゃんとどこまでいってはるんすか?」
「なんやねん急に。」
いつの事やったか。
部活の後。部室で着替えていると侑が神妙な面持ちをしてそんな事を聞いてきた。
(そもそも、何でこいつらにバレてんねん。)
「付き合うんは百歩譲って許すとして、、、。俺らの可愛いちゃんを独占するからには、ちゃーんと彼氏やってもらわな、腑に落ちひん!!!」
「なんでお前に譲られなあかんねん。言われんでも普通に付き合っとるわ。」
「普通とは?」
と付き合いだして自分としては色んなことが変わったつもりでいた。
家まで送ったり。
名前で呼んだり。
手を繋いだり。
いつも心の真ん中にがおるようになった。
せやけどそれをそのまんま伝えると、侑は呆れたようなため息をついて渋い顔をした。
「それはアカン!ちゃんも物足りないんちゃうかなぁ〜」
「そんなん言われてへんし。」
「言うわけないやん!!ちゃんがそんなわがまま。」
「????」
「部活で会って、一緒に帰るだけやったら俺だって出来るっちゅー事ですよ!」
「じゃあ何すりゃええねん。」
正直大きなお世話や思う反面、自分より遥かに恋愛経験値の高い侑にそう言われると、ちっとも気にならへんかった事が無性に気になりだす。
そもそも自分がこんな誰かを好きになったりする日が来るなんて想像すらしてへんかったから。彼氏なんやからこうせい!なんて事、知る由もなかった。
「キスはしたんすか?」
「、、、、、した。」
「ほほぉ。んじゃセックスは?」
「セ、、、って、お前な。んなホイホイするもんちゃうやろ。」
「ハァ!?もう付き合って1ヶ月くらいちゃいます?」
「まぁ。」
「普通3回目のデートでキメるやろ!!」
「いや、それお前のスピード感おかしくない?」