第16章 飛空艇 Ⅱ※※
「お前はいつも……自分勝手だ」
「すまんな、私は気まぐれなんだよ」
悪びれた顔もせずに、ゼロは山姥切の肌をなぞる。
「……っ」
共寝をする時のゼロは、普段の乱暴な物言いと違った一面を見せる。
壊れ物を扱うかのように優しく身体に触れ、そして容赦なく責めてくる。
「……んっ、はっ」
山姥切は胸の頂きを舐められ、ビクッと身体が震えた。
「感度がいいな、お前の身体は」
優しく愛撫するというのに、彼女はわざと恥ずかしい言葉を投げかけてくる。
そのギャップが、より山姥切の熱情を煽るのだろう。
山姥切はゼロに恥ずかしい言葉をかけられるだけでも身体が熱くなり、彼の雄芯が熱く猛っていく。
「嫌がってた割には、随分と可愛らしい反応だな?これ、私の気のせいか?」
「う、うるさい……っ」
ズボン越しにゼロが山姥切の昂りを撫でる。
すっかり硬くなったそこは、窮屈そうにズボンを押し上げていた。
布越しで触れられただけでも、どく、どくと脈打っているのがわかる。
ゼロはすりすりと手のひらで膨らみをさすった。
「……っ、ゼロっ」
ゼロにそこを触れらるのは恥ずかしいが、気持ち良さに屈してしまう。
彼女は本当に、優しく身体に触れる。
まるで……。
初めて彼女が触れてきた時も、今も。
まるで、恋仲のように優しく扱われるから。
だから毎夜、ゼロのことが頭から離れないのだ。
昨夜は一期一振と共寝したのか。
今夜は歌仙と共寝するのか。
そう考えるだけで胸が苦しいし、心が落ち着かなくなる。
ゼロ達と過ごす時間が長くなるほど、ゼロの存在がより大きくなっている気がする。