• テキストサイズ

お気に入り 【黒執事】

第9章 ご褒美は?


「…」

「…ナツキ…。」

「何?」


私はベッドの近くに椅子を寄せ、シエルの手を握っていた。


「…あの日、ヘンリー家を殺しておけば良かったと思った。」

「…」

「あの時、僕はまだ何も知らなかった。ただ、ずっとこの日常が続けば良いと思った。僕よりも年上なお前を、本当の姉のように慕っていた。」

「うん。」

「僕は、復讐のためにアイツと契約を交わした。アイツにナツキのことも探してもらおうとした。でも何も手がかりは見つからなかった。だからあの日、お前をパーティー会場で見つけたとき、目を奪われた。」


話していて眠たくなったのか、まぶたが閉じかけていた。


「あの日…お前を見つけられて良かった…。もう…どこへも…行かないでくれ…。」


そう言うと、寝てしまった。握っていた手にも力が入らなくなった。


「……はい。いつまでも、お側におります。」


私は両手でその手を握り、離した。

そしてセバスチャンのところへ向かった。セバスチャンは部屋にいた。


「ご用でしょうか?」

「やっとですか。」


セバスチャンはネクタイを外し、フォーマル手袋も外していた。


「ご用件は…なんでしょうか?」


すると、ニヤリと笑みを浮かべ、私に近づいてきた。


「え…っと…。」


後ずさりをしてしまった。


「!…」(あ…。)


背後はいつの間にかドア。


「お礼、していただきたいと思いまして。」

「あ…。」(忘れてた…。)


私の首元のボタンを外した。


「!…」

「…?」


セバスチャンの目が見開いた。


「…これは?」

「え…?っあ…!」


セバスチャンに腕を掴まれたかと思ったら、視界が変わった。いつの間にかベッドの上にいた。
/ 246ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp