第8章 過去
ヘンリー家の人達に捕まってしまった。
「っ…。」
「やっと捕まえた、クソ野郎。」
「離して…っ…。」
「離すわけないだろう?」
それは、私の父と母を殺した、カミル・ヘンリーだった。
「まだ生きてたの?」
「それはこちらのセリフだ、ナツキ・エミル。」
「っ…。」
父と母を殺したとき、あの人は23歳だった。だから生きていて当然だった。
「気持ちの悪い緑色だな。ヘンリー家と同じなど、生意気な。」
「!…」
私は両腕を兵士におさえられていて、抵抗できなかった。
「フッ…フフッ…フハハハハッ!!良いことを思いついたぞ。貴様は、アイツらとは違う、もっと痛めつけてやろう。」
「!…」
すると、私の涙袋に親指をあて、上へ親指を滑らせていく。
ヤバい。そう思ったときにはもう遅かった。
「っああああっ!!!!」
目をくりぬかれた。
「ハハハハハッ!!」
「っぐあああっ!!!」
あまりの出血の量とグロさに周りにいた兵士が嗚咽をしたり、吐いたりしている人達もいた。
「もっと…もっとだ…!!」
両目をくりぬかれ、首を絞められた。
「っぁ…。」
私はついに力が入らなくなり、その場に倒れた。意識はまだあったけど、兵士がカミルを止めた。何も見えない。そして誰もいなくなったこの場で、泣くことすらできず、ただ時間が経つのを待った。こんなに痛いのに死ねない。
「…殺…して…よ…。」
そんな声は部屋に響かずに消えた。