第6章 嫌な予感
アンダーテイカーは、2つのことを知ることができたらそのことについて教えてくれると言った。
つまり、記憶の中で特に気になっていることをアンダーテイカーに聞けば良いということになる。
「…全部じゃないの?」
「全部じゃ面白くないだろう?」
「私は早く過去が知りたいの。」
「そう焦るのも良くないよ~。小生も疲れちゃうからねぇ~。」
アンダーテイカーはどうしても私の過去を教えるのが嫌らしい。
「…そうだね。それじゃあ、私は情報を集めてくるから。」
「もう行っちゃうのかい?」
「うん。だって3日しかないんだもん。」
私がそう言うと、アンダーテイカーの口がへの字になった。
「どうして君は、そんなに記憶のことを知りたいんだい?」
「…坊ちゃんのことを知ってしまったから…。」
「…伯爵を…かい?」
「うん。私は…彼のことを何も知らない。でも、なんか…深入りをしているようで…でも…なんていうか…その…。」
言いたいことがうまく伝えられない。
「とにかく…思い出せないのが嫌なの。」
「なるほどねぇ~。まあ、頑張ってねぇ~。」
「うん。」
他人事、と思いながらも、私は葬儀屋を出た。
「…さて…どうしようか…。」(アンダーテイカーが言うには、私はシエルの父親と会っている…。もしかしたら…アルバムに何か写っているかもしれない…。)
歩きながらふとそんなことを考えていた。
すると……。
ドンッ…!
「っ…!」
「!…わっ…ゴメンね?大丈夫だった?ちょっと、気をつけてよ……
クロード。」