第6章 嫌な予感
「でもあんな人に会っていたら覚えているはずなのになぁ…。」
「何がだい?」
「!?…うわっ!!」
いきなり目の前に顔が現れた。アンダーテイカーだったのだけれど、私は飛び起きてしまった。
「ビックリした!」
半ギレ状態で私はそう言った。
「ヒヒヒッ!ゴメンねぇ?久しぶりに会えて嬉しくて。」
「久しぶり…って……2日前に会ったばっかりだよ…。」
「でも会えなかったから寂しかったんだよぉ~?」
そう言い、私を抱きしめてきた。
「…そうだ、聞きたいことがあるんだけど。」
「じゃあ」
「はいはい、極上の笑いね。」
「わかってるねぇ~。」
*
「これでいい?」
話が終わったあと、しばらく大笑いしたアンダーテイカーは、いつものように用件を聞いてくれた。
「…私のこと知ってる?」
「それはもちろん。今こうして、君がここにいるだろう?」
「そうじゃなくて…私の過去を知ってる?」
「…どうしてだい?」
「…アンダーテイカーには…何か…懐かしさを感じるの。」
立ったまま、私はアンダーテイカーに言った。その本人は…というと、座ったまま、カウンターに顎をつけて私の話を聞いている。
「…教えてあげてもいいけど…どうしよっかなぁ~。」
「それじゃあ条件が違うよ。ちゃんと笑いは」
「それはもういいんだけどねぇ~。」
「…?」
「…君、聞いたら混乱するだろうし。それを聞いて、君がここに来てくれなくなったら小生は困っちゃうし。」