第5章 風邪
しばらく眠っていた。起きたのは次の日の朝8時。相当眠っていたらしい。
「ん…っ…。」(眩しっ…。)
体がだるくない。少し喉が痛いが、頭もボーッとしない。
「!…治った。」
そう思い、お風呂に入ってメイド服に着替えた。
「もういいのか?」
「!…坊ちゃん…おはようございます。はい、もう治りました。」
「そうか。」
フッ…と笑みを浮かべたシエル。シエルと一緒に部屋を出ると、フラフラしたメイリンが右側から歩いてきた。またたくさんのお皿を積み上げたものを持っている。
「うわぁ!!」
「!…」
靴紐を踏んで、また転んだ。
「危ない、坊っちゃん!」
「!…」
私はシエルに覆い被さるようにして、お皿の破片などがシエルに当たらないようにした。
「…お怪我はありませんか?」
「あ、あぁ…それより…お前は?」
「平気です。」
私は微笑んだ。実をいうと平気ではない。首元に偶然破片が当たり、多分切ってしまった。
「す、すす、すみませんでしただ!!!」
土下座をして謝ってくるメイリン。
「怪我はなかったか?」
「は、はいですだ!」
「ならいい。あとはセバスチャンにやらせておけ。」
そう言い、シエルは長い廊下を歩いていった。
「…片付けようか、メイリン。」
「はいですだ!」
小さな破片も見逃さず、お皿の破片を綺麗に片付けた。
「それじゃあ、あとはお願いね。」
「は、はいですだ!」