第5章 風邪
しばらくの間泣いていた。
「すみません……もう…落ち着きました…。」
「あぁ。…まあ…その…無理をするな…。僕でよければ…いつでもそばにいる。」
「…はい。ありがとうございます。」
私は微笑んだ。
「っ…//////じ、じゃあ、僕は仕事に戻る。何かあったらセバスチャンを呼べ。」
「はい。」
シエルは部屋を出て行った。
「…はぁ…。」(情けないところを見せてしまった…。)
あとで謝っておかないと…。そう思い、ベッドに横になる。
「…頭痛い…。」
頭が重く感じる。体も熱い。
「!…あれ…。」
そういえば、いつの間にか部屋着に着替えてあった。
「…セバスチャンに…お礼…言わないと…。」
そう思い、靴を履いて部屋から出ようとした。やっぱりまだフラフラする。視界がぼやける。
「っ…!」
「おっと…!大丈夫か?」
「!…す、すみません…ありがとう…ございます…。」(あれ…初めて…見る顔…。)
倒れそうになったところを支えてもらった。顔を見てみると、金髪の髪に無精髭が生えていて、煙草を咥えている。
「おう!なんだ?初めて見る顔だな。」
「あ…えと…一昨日から、坊ちゃんに雇われて…。」
「おお!そうだったのか!俺はバルドロイ。気軽にバルドって呼んでくれよな!」
歯を見せて笑った。
「あ…ナツキ…です。」
「おう!よろしくな!ナツキ。」
「は、はい。あの…ところで…セバスチャンさんを知りませんか…?」