第3章 2人
「アンダーテイカー。」
「!…」
「そう呼ばれているよ。」
「……もしかして…。」
私は、アンダーテイカーの前髪をあげた。
「!…やっぱり…。」
「酷いことするじゃないか…。」
緑色の目をしていた。やはり…死神。
「このことは、伯爵には内緒だよ?」
人差し指を口にあてた。私はコクンと頷いた。彼はセバスチャンに負けないほどの美貌の持ち主だった。
「…アンダーテイカー…。」
「どうしたんだい?」
「…私の家族は本当に死んだの?」
「ん~?それは、伯爵の執事君から聞いてるんじゃないのかい?」
「…本当かどうかわからないの。」
なぜか彼には敬語ではなく、タメ口で話せた。
「ん~!どうしよっかなぁ?教えてあげてもいいけど~!その前に、小生におくれよ。極上の笑いをさ。」
「…笑い…?」
「そう。」
「…」(笑い……笑い……。)
考えに考えた末。
「シエルが失敗したことでもいい?」
「え~!何それ何それ!聞きたいなぁ~!」
「!…」(食いついた。)
ゴメン、シエル。と、心の中で謝っておき、アンダーテイカーに話し始めた。
*
「プハッ!ヒヒヒッ!!」
よだれを垂らしながら笑っているアンダーテイカー。
「それで、教えて。」
「死んだよ。」
「え…。」
「死んだ。」
「…でも…セバスチャンには血痕も付着していなかったし、あの場所も草原になっていた。セバスチャン1人でそんなことできるわけが…。」
「あの執事君は、出来るからねぇ。」