第20章 惹かれる
私は書斎から出て、庭へ向かった。シエルの目を盗んで街へ行きたかったけど、あと2時間で会談が始まってしまうため、どうしても行けない。
「あっ!お嬢様~!!」
メイリンが私を見つけ、走ってきた。
「!…メイリン!」
「お出かけですか?」
「ううん、会談があるから行けないの。だから少し庭の様子を見に来たの。」
「!…ちょうど今手入れしているとこだっただよ!」
「そうだったんだ。」
「はいですだ!」
「あのさ、メイリ」
「み~つけたぁ!♡」
「!…」
話しかけようとした時だった。
「見つけたわぁ~!!可愛い子猫ちゃぁん!♡」
「!?…」(誰!?)
そこには、真っ赤な髪、真っ赤な上着を着た見た目では性別がわからない人が立っていた。チェーンソーを持っており、舌で唇を舐めると、私に向かって歩いてきた。
「あなたが噂のナツキチャン?」
「え…?あっ…。」
近くに来てわかったこと。この方は……
「死神…?」