第20章 惹かれる
「…会いたいな…アンダーテイカーに…。」
「それは、坊ちゃんに叱られてしまいますよ?」
そう。この前の事件でついにシエルに言われてしまった。「一切の外出を禁止する。」と。出来なければ監禁されてしまうらしい。
「…」
「私ではご不満ですか?」
「…アンダーテイカーに会いたい。」
ホットチョコレートをかき混ぜながら呟いた。
セバスチャンでは不満、とかそういうことではなく、アンダーテイカーに会いたい。ただそれだけ。
「…」
「…?」
私はセバスチャンを見つめた。
「…」(でも…私はこの人のことが好きなんだよね。一生伝えられないだろうけど…。)
アンダーテイカーに対する「好き」と、セバスチャンに対する「好き」は違う。
「お嬢様、そんな熱い瞳で見つめられると…!」
「…」(やっぱ違うかもしれない…。)