• テキストサイズ

お気に入り 【黒執事】

第20章 惹かれる


「おう、じゃあ俺はこれで失礼するぜ。」

「うん。」



バルドが届けてくれた手紙。シエル宛てではなく、私宛てだった。



「…?」



差出人の名前はなかった。



「!…」


でも、内容を読めば、誰からなのかすぐにわかった。



「…」(アンダーテイカー。)




ナツキへ、元気にしているかい?小生はとっても暇だよぉ?最近君が来てくれなくてとても退屈だよぉ。でもきっと、来てくれないんじゃなくて、来れないんだろうねぇ。伯爵も独占欲が強いねぇ。久しぶりに手紙なんてものを書いたよぉ。早く君に会いたいよ。



会いたいよの後ろに形の崩れた♡マークがついていた。



「ふふっ…!」



思わず笑ってしまった。その時だった。またドアをノックされ、今度はセバスチャンがワゴンを押して入ってきた。



「お嬢様、ホットチョコレートをご用意いたしました。」

「あ、うん。ありがとう。」

「何か嬉しいことでもありましたか?」

「え?」

「いえ、笑っていらっしゃったので。」

「あ、うん。アンダーテイカーからね、手紙が来たの。」

「さようでございますか。」



セバスチャンがニコリと微笑んだ。
/ 246ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp