第20章 惹かれる
「…ま……お嬢様……お嬢様…お目覚めの時間ですよ。」
「ん…っ…。」
カーテンを開け、眩しい朝日が部屋に差し込んでくる。
「…今…何時…?」
「6時でございます。」
「…いつも…7時…じゃん…起きるの…。」
「本日、坊ちゃんが熱を出してしまいましたので、坊ちゃんがいつもやっているお仕事を、全てお嬢様にやっていただきます。」
「……え…。」
「さぁお嬢様、起きてください。」
「え……えっ…!?」
私は着替えて、急いでシエルのいる部屋へ向かった。
「し、シエル…!?」
「っ…ゴホッ…!ゲホッ…!っあ…ぁ…ナツキ…か……悪いな…。」
「熱出したって…。」
「あぁ……下がりそうにない…。今日は会談もあるし…ナツキに全て任せる。」
「いや…任せるって言っても……私…出来ないよ…。」
「ゴホッゴホッ!!」
「……なんとかやってみる…。」
「あぁ……セバスチャンに任せておけば…なんとかなる…。」
「わ…わかった…。」