• テキストサイズ

お気に入り 【黒執事】

第3章 2人


「う…ぁ…。」


悪魔のような微笑み。指で、と言われてしまった。だからスプーンで食べさせることはできない。

私は人差し指にクリームをつけて、セバスチャンの口元に持っていった。


「ありがとうございます。」


そう言い、私の人差し指をペロッと舐めた。それで終わると思った。でもそのあと、私の人差し指を口に入れ、舌で音をたてながら指を舐めた。人差し指を食べられるかと思った。


「あ…あのっ…/////」

「んっ…。」

「っ…//////」(そんなに舐める必要はないんじゃ…。)


そう言いたかったけど、心臓の鼓動がうるさく、声が出なかった。

いやらしい音がキッチンに響く。


「フフッ…ごちそうさまでした。」


やっと指を離してくれた。


「っ…/////」

「おやおや、お顔が真っ赤ですよ?」


私は振り向き、セバスチャンを睨んだ。久しぶりに人を睨んだ。いつもは心の中でしか睨むことができなかった。
私が睨んでも、セバスチャンはクスクス笑うだけ。


「本当に可愛らしいお方ですね。」


私の頬に触れようとしたセバスチャンの手を、触れられる前に払いのけた。


「おや…?」

「さ、触らないでください…。」


顔の熱も少しずつ冷めてきた。初めて反抗した。無視することはあったけど、言い返すことはなかった。言っても無駄だとわかっていたから。


「なんとも可愛らしい…!」


でも…睨んでも全く効果なし。


「し、仕事に行かなくていいんですか?」

「!…そろそろ行きますか。それでは、失礼いたします。」
/ 246ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp