第19章 変わった執事
「それではお嬢様、就寝するまでの最低限のことは、私が」
「いえ、お客様ですので、私がやります。」
セバスチャンはすかさず言った。
「いえ、これ以上あなた方に迷惑はかけません。」
「お気になさらず、どうぞ、お引き取りください。」
ここでもバチバチと火花が散っている。
「…や、やっぱり帰ろうかな…。」
「!…」
「どうしてだ?」
「えっと……なんか、迷惑」
『ナツキ~!!』
「!?…」
いきなりドアが開いて入ってきた3人組。
さっきのメイドさんと金髪碧眼の麦わら帽子を被った男の子、タバコを咥えた無精髭を生やしたコックさんだった。
3人が同時に私に抱きついてきて、泣き始めた。
「やっぱりお客様としてナツキを迎えるなんて嫌ですだよぉぉ!!」
「ナツキ!なんで!僕達のナツキなのに!」
「なんで急にいなくなるんだよぉ…!!」
「!?…あ、あの…っ…!」
いきなり泣かれても困る。それにどうしてこの人達は私の名前を…?
「すみませんが、お嬢様から離れていただいても」
「どうして勝手にいなくなるだよぉぉ…!!」
「寂しいだろうがよぉぉ…!」
「どこ行ってたの~!!」
「え……あ…れ…?」(私は……この人達を知ってる…?)