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お気に入り 【黒執事】

第19章 変わった執事


「…」


シエルは何かを考えこんでいた。


「お嬢様。」

「…?」


クロードが私の耳元で小声で話しかけた。


「本日はそろそろ、お屋敷に戻った方が良いかと。」

「…どうして…?まだ来たばっかりなのに…。」

「実はこの後、少し用事があることを忘れていて…。」

「…」

「あぁ、それでしたら、クロードさんだけお帰りになってください。お嬢様はこちらでお預かりいたします。」


執事さんはそう言い、ニコリと微笑んだ。


「いえ、結構です。」


クロードがすかさず言った。


「坊ちゃん、いかがいたしましょうか。」

「…泊まっていけ。その方が良い。」


シエルは敬語を使わず話した。でも、なぜか嫌な感じはしなかった。


「クロード、それは…個人の用事?」

「……えぇ…まぁ…。」

「…そっか…。」

「フンッ…ならいいだろ、泊まっていけばいい、部屋は用意する。」

「でも…迷惑…かかっちゃうかもしれない…ので…。」

「別に構わん。」


目を瞑ったまま、料理を口に運んだ。


「…クロード…どうしよう…。」

「…いえ、決めるのは、お嬢様自身ですので…。」

「…」


正直言って、ファントムハイヴ邸の方が落ち着く。


「…でも」

「それでは、お部屋の方を準備してきますので、少々お待ちくださいませ。」

「え…あ…あの…。」


執事さんはダイニングルームを出て行った。


「…」

「クロード…。」

「…いえ、お気になさらず。度々様子を見に戻ってきますので。」
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