第19章 変わった執事
「何…したの…?」
「フフッ…何も…していません。これぞ…至福の…」
クロードはニヤニヤしながら、何かを呟いていた。
「…」
それから夜が明け……私はベッドから起き上がり、靴を履いてバスルームへ向かった。
シャワーを浴びようと思った。
「…!何…これ…。」
首元には赤い痣のようなものが出来ていた。
「…」
こすっても取れないし、シャワーで洗っても落ちていない。
「…なん…で…?」
絶対、クロードのせい。
私はシャワーを浴び終えたあと、すぐにクロードを呼ぼうと思った。でも、もう待っていた。
「お嬢様、お湯加減は」
「クロード…!なんか、首元に赤い痣みたいなのが付いてるんだけど…どうして…?」
「…フフッ…いえ…どうして…でしょうか…私にも…わかりません…。」
「……もういい、出てって。」
クロードに嫌気が差し、私は部屋からクロードを追い出した。
「…」
自分で服を着て、バスルームを出た。
「わっ…!」
バスルームの前で待っていたクロード。
「お嬢様…。」
「ついてこないで。」
「ですが…」
「触らないで…!」
「…失礼いたしました。」
クロードを睨みつけると、私は屋敷を出た。
「…」
庭に咲いている薔薇に水やりをしていたハンナ。