第19章 変わった執事
「!…お、お嬢様…!?」
「っ…ゲホッ…!ゲホッ…!」
花瓶の花…?
*
【ナツキ~。お部屋の花瓶のお花変えに来ただよ~。】
*
「だ…れ…?」
「え…?」
「っぁ…誰…っ…誰…なの…っ…!」
頭がもの凄く痛い。吐き気も凄く、視界がぼやける。
「っ…や…やだ…っ…!」
ハンナが私の肩に触れてきたとき、その手を払い除けてしまった。
「違う…っ……違う…のに…っ…触らない…で…っ…!」
違う。
違う…。
声だけ…知ってる……でも、顔と名前が思い出せない。
「お嬢様…!」
「やだっ…!!」
「ハンナ…!何事だ…!」
クロードが部屋に入ってきた。
「お嬢様が…!」
「…さがれ。」
「っ…はい。」
ハンナは部屋から出て行った。
「お嬢様、落ち着いてください。」
「やだ…っ…!触ら…ないで…っ…!」
「!…」
「来ないで…っ…。」
誰なのかわからない…。
怖い……誰を…信じたら良いのか…わからない…。