第19章 変わった執事
「お嬢様、どうなさいましたか…!?」
ドアが勢いよく開き、クロードが部屋に入ってきた。
「く…クロード…っ…。」
「!…」
「…」
「…フッ……申し訳ないがお引き取り願いたい。お嬢様はあなたに対してもの凄く怯えているようだ。」
「…」
クロードは私のそばに来て肩を抱いた。
「…いけませんね…このままでは…坊ちゃんのご命令が…。」
「……て…。」
「え…?」
「出て行って…ください…っ…。」
私は彼を睨みつけた。
「…フフッ…涙目で私を見つめるあなたも、可愛らしい。」
「!…」
彼は微笑み、お辞儀をすると、窓から屋敷を出て行った。
「っ…怖かっ…たぁ…っ…!」
一気に安心感に包まれ、私はクロードに抱きついた。
「…フッ…も、申し訳…ご…ございませ…っ…。」
ニヤニヤしているクロード。
それから……。
「…お嬢様、本日の昼食は、サーモングリル、クロワッサンをご用意いたしました。物足りないようでしたら、追加で何かお作りいたしますが…。」
「…ううん、そんなに食べられない…から…。」
断ると、クロードはお辞儀をして、紅茶を入れてくれた。