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お気に入り 【黒執事】

第19章 変わった執事


「…あの人は…何も悪いことはしてなかった…。」


ベッドに寝転んだまま、クロードに話しかけた。


「……あの侵入者が、気になるのですか…?」

「…わからない…。」

「お嬢様には、私がいるではありませんか。何をそんなに考える必要があるのですか。」

「…お腹…すいた…。」

「すぐにご用意いたします。」


クロードは部屋を出て行った。


「…」


私はベッドから起き上がった。


「さぁ、帰りましょうか、お嬢様。」

「!?…」


後ろから声が聞こえ、振り向いた。すると、窓のすぐ近くにさっきの人が立っていた。


「っぁ…ど…どう…して…。」

「どうして…と申されましても、あの方々では私を止めることは不可能です。」


ニコリと微笑み近づいてきた男性。


「やっ……こ…来ないで…っ…。」


私は後ずさりをした。


「…坊ちゃんが、あなたの帰りを待っております。」

「坊ちゃん…?」

「はい、シエル・ファントムハイヴ。あなたは彼の姉であり」

「どうして…!」

「…」

「私は……シエルを…殺すって…。」

「…いったい…誰がそれを…。」

「誰…って……。」


それを考えた瞬間、頭に痛みが走った。


「っ…!」

「お嬢様…!」

「やっ…!やだ…っ…!触ら…ないで…っ…!」

「!…」


彼の手を払い除け、震える体をさすった。


「く…クロード…ぉ…っ…!」


自分でもよくわからなくなり、泣いたままクロードを呼んだ。小さな声だった。
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