第19章 変わった執事
「フフッ…怯えているあなたも、とても可愛らしい。私だけの、お嬢様。」
私の手をとり、跪くと、手の甲にキスを落とした。
その瞬間だった。
バキッ…!!
「!…」
外で凄い大きな音がした。
「…何か…音が…。」
「…猫でしょうか。」
「…にしては…音が大きい気が…。」
「…侵入者…でしょうか。」
「!…だ…誰か…来るの…?」
私はクロードの手を握った。
「!……いえ、何があろうとも、お嬢様を必ず、お守りしてみせます。」
「…ほん…と…?」
「はい。」
バキッ…!!
また、大きな音がした。
「…っ…頭が…痛い…。」
私はクロードの手を離した。
「お嬢様、どちらへ?」
「外…。」
「いけません。体調が優れないのでしたら、自室に」
「いいから…!」
「!…」
「ついて…こないで…。」
何か…違う。
私は…こんなお屋敷には住んでいない…。
こんな…静かなお屋敷じゃない…。
違う…もっと…楽しくて……とても…大切な人達がいて……。