第19章 変わった執事
「…わざわざすみません…。」
「いえ、こちらこそ…申し訳ございません…。」
「……メイドさんの…お名前は…なんていうんですか…?」
「…ハンナです。」
「ハンナ…さん…。」
「はい。」
綺麗な人だった。
「…」
「ナツキ様は、どうして今日のパーティーにご出席なされたのですか?」
「えっと……え…。」(なんで…この人…私の名前を…?)
教えていないのに驚いた。
「…?」
「…あ…えっと…坊ちゃんの…付き添いで…。」
「坊ちゃん…?」
「…シエル…シエル…ファントムハイヴ…伯爵です。」
「…そうだったんですか。」
私はベッドの上に座って、ハンナは椅子に座っていた。しばらくそのまま話をしていた。
「…出来ました。」
「ありがとうございます。」
ドレスを受け取り、会場に戻ろうとした時だった。
「んっ…!?」
後ろからハンカチのようなもので鼻と口を押さえられ、私は気を失った。