• テキストサイズ

お気に入り 【黒執事】

第19章 変わった執事


「…さ、お嬢様、私と踊りましょうか。」


ニコリと微笑み、今度はセバスチャンが私の手をとって踊り始めた。


「!…あ…っ…。」

「大丈夫です。レッスンの時と、同じように。」

「…うん…!」


曲が流れているからか、ダンスを踊るのが楽しかった。自然と笑顔になっていた。


「お上手です。」

「ありがとう…!」


楽しい。

思ったことはそれだけだった。


それから……ダンスが終わり、シエルとセバスチャンは何かを話していた。アロイス達も同じ。


私はワインを片手にパーティー会場を眺めていると……

ガシャンッ…!


「!…」

「もっ…申し訳ございません…っ…!」


お腹のあたりが冷たくなった。見てみると、紫色の液体が付着していた。

どうやらメイドの人がおぼんをひっくり返してしまったらしい。長い銀髪と褐色の肌が印象的な人だった。


「…あ…だ、大丈夫です…。」

「本当に…申し訳ございません…。すぐに別のドレスをご用意いたします、こちらへ。」

「え…あっ…。」


腕を掴まれ、連れて行かれた個室。


「こちらを。」

「あ、ありがとう…ございます…。」


部屋には、ベッドと本棚、小さなテーブルとランタンがあった。

着替えている最中、メイドの人はドレスに付いたワインの染み抜きをしてくれていた。
/ 246ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp