第18章 噛みつく
「…」
しばらく花を見つめ、ボーッとしていた。近くにあった白いテーブルと椅子。
椅子に腰をかけ、腕を枕にして突っ伏した。顔だけ横に向かせ、また花を見つめた。
「…」
「お嬢様。」
「!…」
「こんなところで何をしていらっしゃるのですか?」
「…暇…だったから…お花を…見てた。」
セバスチャンに話しかけられ、机に突っ伏したまま答えた。
「さようでございますか。」
「…」
「お嬢様、それなら私と一緒に、ダンスレッスンを」
「それは嫌だ。」
「…困りましたねぇ…。」
「…アンダーテイカーに会いたい…。」
あの人のそばが、1番安心する。
「…それは……少々…あの方に嫉妬いたします。」
「…」
セバスチャンは私の背後に立ち、机に両手を付け、私の上から覆いかぶさるようにして、逃げ場をなくした。
「…悪魔でも、嫉妬するんだ…。」
「えぇ、まぁ。」
彼が今、どんな表情をしているのかわからない。
「…」
彼のことは好き。でも、きっと彼は、私の魂が欲しいだけの悪魔。
ただ、毎日お腹を減らして、魂を求めてるだけの悪魔。
でも……
アンダーテイカーは違う。