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お気に入り 【黒執事】

第18章 噛みつく


「…」


やることもなく、ただボーッとしていた。腕を枕にして机に突っ伏してみたり、外を眺めてみたり、本棚にある本を読んだり……でも……特に面白くもない。


「…」


やることがない。というのは暇でしかない。時計の音だけが聞こえる部屋。自室ではないけど、落ち着く。


コンコン……。


「!…」


誰かが部屋のドアをノックした。


「はい。」

「ナツキ~。お部屋の花瓶のお花変えに来ただよ~。」

「あ、うん。ありがとう。」

「はいですだ!」


両手にお花を持って歩いてきたメイリン。私の机の横に置いてある小さな机の上に花瓶は置いてある。


「…」

「…ねぇ、メイリンってその眼鏡、度、あってるの?」

「え?あ…あぁぁ…っ…。」

「…?」

「こ、これは…坊ちゃんにいただいた大事なものですだ…!だから…たとえ度が合わなくても…変えたくないんですだ…。」

「…そっか。そうだったんだ。」

「それじゃ、失礼しますだ…!」


花を変えるのを終え、部屋を出て行った。


「…綺麗。」


白い花だった。でも、なんの花かわからない。


「…暇…だな…。」


私は立ち上がり、部屋を出た。
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