第18章 噛みつく
「なんで…だろう…。」
自分でもよくわからない。
「きっとナツキは可愛いから!」
「…じゃあフィニは…私が可愛くなかったら大事にしてくれなかった…?」
「えっ!?そ、そんなことない…!僕はナツキの性格とか、なんていうかもう…全部が好き!」
「!…ありがとう。」
一生懸命伝えようとしてくれるのがよく伝わり、嬉しかった。
それから……。
「!…終わったぁぁ!!」
「やったね…!」
2人でハイタッチをした。
「ありがとう!ナツキ!」
「うん、フィニ、お疲れ様。」
「うんっ!!」
外で手を洗い、2人でお屋敷に戻った。
「セバスチャンさん!草むしり終わりました!」
フィニはセバスチャンに話しかけた。セバスチャンはシエルのおやつを作っていたらしい。
「おや、今日はなんのトラブルも起こさずに終わらせたんですね。ご苦労様です。」
「はいっ!」
「…」(嫌味を言われてることに気づかないんだ…フィニってある意味凄い…。)
「おや…?どうしてお嬢様が、フィニと一緒にいるのですか?」
「え…あ…。」
「ナツキも草むしりを手伝ってくれたんです!」
「!…フィニ…!それは…」
「ほう…。」
「!?…」
「それはいったい…どういうことなのか……説明していただきましょうか。」
「っ…!」(怖い怖い怖い…!)
笑顔が悪魔だった。