• テキストサイズ

お気に入り 【黒執事】

第18章 噛みつく


「フィニ…?大丈夫?」

「うわはぁぁぁんっ!!お嬢様ぁぁっ…!」


大泣きをしたまま私に近づいてきたフィニ。


「ど、どうしたの…?」

「ふぇぇっ…ちょっとは草むしり楽になるかなって思って除草剤まいたらぁぁ…っ…!」

「…うわ…っ…。」


見事に茶色く雑草が染まっただけだった。


「ふ、2人で頑張って草むしりしようか。」

「え…で…でも…お嬢様にそんなことさせられないです…!」

「ううん、気にしないで。お嬢様じゃなくて、前みたいにナツキって呼んでよ。その方が親しみやすい。」


私が微笑むと、フィニは涙を腕で拭いて「はいっ!」と返事をしてくれた。


「…」

「ゴメン…付き合わせちゃって…。」

「ううん、何もやることなかったから。」


草むしり、と言ってもそんなに範囲は広くなかった。2人でやれば30分くらいで終わりそう。


「…」

「ねぇ、どうしてナツキは、坊ちゃんとそんなに仲が良いの?」


2人並んで草むしりをしていた。


「なんで…うーん…。」

「坊ちゃんもセバスチャンさんも、みんなナツキのことを凄く大事にしてるんだ。あっ、もちろん僕もナツキのこと凄く大事に思ってる!」


隣でニコリと微笑むフィニ。


「…」(可愛い…。)


ふとそんなことを思った。
/ 246ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp