第18章 噛みつく
「…それでは、本日はここまでにいたしましょうか。」
「…あ、ありがとう…ございました…。」
腰も痛いし足もガクガクしている。さすがに4時間、ダンスレッスンはしんどい。
時計を見ると、もう12時だった。
「…」
「お疲れ様でした。」
セバスチャンは紅茶とパンプキンパイを机の上に置いてくれた。
「…美味しい…。」
「ありがとうございます。」
ニコリと微笑み、お辞儀をしたセバスチャン。
「それでは、私は坊ちゃんのお仕事の方を見てきますので、何かあれば、すぐにお呼びください。」
「うん、ありがとう。」
「それでは、失礼いたします。」
セバスチャンが部屋を出ていった。自分の部屋ではなく、本棚と机と椅子しかないシンプルな部屋だった。
「…」
パンプキンパイを小さく切って口に運びながら窓の外を眺めた。
「…!」(メイリン…転んじゃった…!あ、フィニ…そんなところにそれ置いたら危ない…!)
思わず立ち上がってしまった。
「…よし。」
特に用はないし、手伝いに行くことにした。