第18章 噛みつく
「…フンッ…まぁいい。先に風呂に入れ、濡れただろう。」
「え…?あ…。」
確かに、アロイスの屋敷にお邪魔した時、タオルを貸してもらっただけでお風呂は入っていない。
「…わかった…。」
私はバスルームに行った。自室にもあるけど、シエルにそちらではなく、バスルームを使え。と言われた。
「…」
「失礼いたします。」
「わっ…!?し、失礼しないで…!」
服を脱いでいる時、セバスチャンがバスルームに入ってきた。
「こちらを。」
「あ…ありがとう…。」
新しい着替えだった。
「それでは、私はこれで。失礼いたしました。」
セバスチャンはお辞儀をしてバスルームを出ていった。
「…」(何も…されなかった………ん?何もされなかった…って…されなくていいんだってば…!)
そう思い、私はお風呂に入った。
「…」
湯船に浸かっている時ふと思った。
いつか私は、クロードさんに魂を食べられてしまうのではないか、と。
「…」
彼は、たとえ契約を交わしていたとしても、契約相手よりも優れている魂があればそちらを取る。と言っていた。
「…?」(じゃあ、もし食べられるとして、アロイスさんは…?誰かに殺されるの…?)
そんなことを考えていたら、随分長いこと湯船に浸かっていたらしく、セバスチャンが呼びに来た。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「え?あ…うん……もう出る…。」