第17章 1日
「必要…っ…だか…ら…っ…たす…けて…っ…。」
「ごちゃごちゃうるせぇんだよ…!!」
バンッ!!
「…すみません、こちら、お返しいたします。」
痛くも痒くもない。ただ、うるさかっただけだった。
いつの間にか、マイルの背後に立っていたセバスチャン。人差し指と中指で挟んでいた弾丸を床に落とした。
そして彼はニコリと微笑むと、人さし指で拳銃を触った。すると拳銃は壊れ、マイルの手から血が流れた。
「っあぁぁっ!!!」
私はマイルから解放された。
「うるさいぞセバスチャン!いつまで遊んでいるつもりだ!」
解放された直後だった。シエルが出てきて、ブチギレた。
「申し訳ございません。あまりにもお嬢様が可愛らしかったものですから。」
さっきからずっと微笑んでいるセバスチャン。
「チッ…行くぞ、ナツキ。」
「!…う…うん…。」
立ち上がり、シエルについて行った。後ろで、マイルの悲鳴が聞こえ、そして…声は消えていった。