第17章 1日
「…えっと…。」
「彼女に何かご用ですか?僕がお伺いいたしますが?」
「あっ…い、いえ…そういうわけでは……ははは…。」
マイルは苦笑いを浮かべた。
そのすぐあとだった。
「し…失礼しますだ…!」
メイリンが入ってきた。
「お、お嬢様にお電話が…。」
「!…私?」
「は、はいですだ…!」
メイリン達は私のことを、「お嬢様」と呼ぶようになってしまった。
「すみません、少し席を外させていただきます。」
立ち上がり、部屋を出た。
「…こ、こちらに。」
「ありがとう。」
受話器を受け取り、耳にあてた。
「も、もしもし…。」
「あっ…!久しぶり~!」
「!…」
この声は……
「覚えてる?俺、アロイス!」
「……っぁ…お…お久しぶりです…。」
「うん。ねぇ、今度ウチでパーティーを開くことになったんだ。招待状、送るからシエルと一緒に君も来てよ。」
「ぱ…パーティー…?」
「そう!そんで、俺と一緒にダンス踊ろう?日にちは招待状に書いてあるから!それじゃ!」
と、一方的にきられてしまった電話。
「…」(え…。)
ダンスとか…踊れない…。
それに、パーティーも行けないし…。