第17章 1日
あっという間に時間が過ぎていき、会談の時間になってしまった。
「お初にお目にかかります、マイル・カナタリアです。」
「初めまして、当主の、シエル・ファントムハイヴです。」
「!…そちらの女性は…?」
「あぁ…僕の知人です。彼女も一緒にご食事をさせていただきたいと思いまして。」
「…そう…ですか…。」
「…」(睨まれた…。)
それから…。
「いやぁ…伯爵のお宅は、本当に驚きの連続です…。」
会談が始まった。
とりあえず…料理がとても美味しい。
「それより、ビジネスの話を。」
難しい話ばかりだ。私は入っていけそうにない。
「…」
食事も終わりそうになり、私は席を外そうと思った。
「えぇと…あなたは……すみません、お名前をお伺いしていませんでした…。」
「!…え…?」
いきなり話しかけられ驚いてしまった。
「…」(名前…。)
ユミルの姓を使えばいいのか、ヘンリーの姓を使えばいいのかわからなかった。