第16章 気持ち
「それで、答えは出たかい?」
しばらくダンスを踊ったあと、ソファーに座っていると、アンダーテイカーに聞かれた。
「……やっぱり…シエルのお屋敷に戻る…。」
「…そうかい…。」
「でも、シエルに反対されても会いに来るね。アンダーテイカーともっとたくさん話したいから…!」
私は微笑んだ。
「ヒヒヒッ…本当に、君は可愛いねぇ…。」
アンダーテイカーは私の頭を撫でた。
そして、私の頭の上から手を離そうとした時だった。ドアが開いて誰かが入ってきた。
「アンダーテイカー。」
「…おや、伯爵じゃないか。どうしたんだい?」
「!…」
そこには、シエルとセバスチャンが立っていた。
「ナツキを返してもらう。」
「ん~。」
「……あれは、完全に僕のミスだ。招いてもいないのに来た客を、簡単に屋敷に入れた。今後は気をつける。」
「ヒヒヒッ…珍しいこともあるもんじゃないかぁ…伯爵が謝罪なんて。」
「…バカにしているのか。僕だって間違えたことをしたら謝る。」
少しイラついているように見えた。
「ヒヒヒッ…バカになんてしてないよぉ~?」
それから……。
「ありがとう、アンダーテイカー。」
「うん、またいつでもおいで~?」
「うん。」
私はシエルとセバスチャンと一緒にお屋敷に戻った。