第14章 狂った執事
「…はぁ…。」
つまらない。何もすることがない。
私は部屋から出た。
「あ!いた!」
「!…」
「君のことを探してたんだよ!」
廊下を歩いていると、男の子が私の手を握って話しかけてきた。
「っ…!」(この人は…。)
アロイス・トランシー。
ということは…。
「旦那様。」
「!?…」
「おい!勝手に屋敷の中をうろつくな!セバスチャン!アイツを捕まえろ!」
「yes、my、load。」
話を聞くと、どうやら、アロイスがいきなり押しかけてきたらしい。
*
「…」(で、なぜこうなるの…。)
「帰れと言っている。」
「そんなこと言わないでよシエル。」
一緒にご飯を食べることになり、なぜか私も参加。
「どうぞ。」
「本日は…」
そして、シエルとアロイス、それぞれ違うものを食べている。それぞれの執事が作った料理を口にしている。
私は……というと…。
「ナツキさんはこちらを。」
「いえ、こちらを。」
ゴリ押しされる2つの料理。
「…」
迷わずセバスチャンの料理を手に取った。
「フフッ…。」
「…」
満足気なセバスチャン。
「…」(美味しい…!)
「…」
「…」
なぜ何も話さないのに食事を一緒にとるのか、不明だ。
「…いっ…!」
私は持っていたナイフとフォークを机の上に置いた。
「!…どうした?」
シエルが席を立ち上がった。
「な、なんもない…。」
舌を噛んでしまった。口の中に血の味が広がった。